なぜ、赤字の飲食店が売上アップを目指すと失敗してしまうのか?

経営戦略


・業績が悪いから、売上アップ施策をしようと思っていたんだけど…
・商売なんだから、売上アップを目指すのは当たり前じゃないの?
・売上アップを目指さないのなら、どうやって赤字から脱却できるか教えて!

ヒロサワ
ヒロサワ

この記事を書いている私は、プロ経営者&飲食店コンサルタントのヒロサワです。
最近では社長として負債7億円で赤字経営だった、つぶれかけカフェを利益1100万円稼ぐ繁盛店に立て直しました。

さまざまな試行錯誤をしてきたので、数え切れない失敗とたくさんの成功を経験しました。

赤字営業だったり、売上が減って業績が悪くなった店は、業績を回復するために「何かをやって売上アップしよう!」とあわてて行動しますが、結果を出せずに店がつぶれるケースは多いです。

では、なぜ、赤字の飲食店が売上アップを目指すと失敗してしまうのか?

それは、業績が悪い本当の理由は「売上」がないからではなく「利益」がないからです。

特に赤字営業になる店では、「売上が増える = 利益も増える」という可能性は低いので、業績を良くするためには、売上を減らしてでも利益を増やすことを目指すべきなのです。

記事の内容

業績が厳しい店が「売上アップ」を目指そうとして失敗する理由と赤字営業から脱却する方法を解説します。

この記事を読めば、経営の基本である「売上と利益の違い」を知って、「間違っている売上アップ施策」でお金と労力と時間を無駄にしてしまうことを回避できます。

「売上」と「利益」の違いを理解していない?

そもそもの話になりますが、業績の悪い店の経営者や店長は「売上」と「利益」の違いを理解していないことが実はよくあります。

ここであらためて「売上」と「利益」について簡単に説明します。

「売上」とはお客から受け取った金額そのものです。(消費税は含めない)

「利益」とは「売上」から「経費」(食材、人件費、家賃など)を差し引いた残りの金額です。

残った利益は店の体力や余力になり、従業員にボーナスを支給したり、給料を増やしたり、新しい機械や設備を買ったりすることができます。

計算式にすると

売上 ー 経費 = 利益

↑ の式からわかるように、売上がどんなに増えても、食材・人件費・宣伝費などの経費が増えた結果、手元に残る「利益」が変わらないのであれば、売上を増やす意味がありません。
それどころか、今まで以上に働くことで余裕がなくなったり、経費が増え過ぎて利益が減ってしまうのであれば逆効果です。

ちなみに、「利益はどうやって出すことができるか?」という質問と計算式の説明を、赤字カフェの前任の経営者、中堅社員、若手社員、フリーター、学生アルバイトにしてみると、ほぼ全員が「わかっている」と答えますが、ほぼ全員が利益を出すための行動ができません。

そのため、理解していないのに「わかったつもり」の人達と利益を追求するのは相当骨が折れますが、粘り強く続けると20人中1人くらいは理解してくれるようになります。

ヒロサワ
ヒロサワ

アルバイトと若手社員は、労働時間を切り売りしてお金をもらっている感覚なので、利益を出す行動を求めるのはムダだと思っています。

売上アップを目指すと失敗する理由

業績の悪い店が「利益」のことをよく考えずにやりがちな売上アップ策には次のようなものがあります。

値下げをする

・主力商品の価格を安くする。
・近隣の店を意識して、価格競争をする。

ヒロサワ
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  • 多少の値下げでは、客数はそんなに増えません。
  • 客単価が下がるので、客数が増えても売上&利益は増やしづらいです。
  • そもそも、利益を削る行為は一番やってはダメです。

お得感のあるメニューを作る

・原価率の高い新メニューを作る。
・流行りのメニューを販売する。

ヒロサワ
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  • 原価率を上げると満足度を上げやすいけれど、利益を確保するのが難しくなります。
  • 新メニュー専用の食材を使うと食材管理の手間と廃棄率が増え、利益率が下がります。(大盛り無料、トッピング1品サービス等ならば影響は少ない)
  • 流行りの初期ならば売上アップの効果はありますが、ブームが終わる前に食材を使い切らないと、廃棄ロスで利益率が下がります。

営業時間を増やす

・開店時間を早める、閉店時間を延ばす。
・ランチ営業を始める。

ヒロサワ
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  • 今までにない時間帯の売上なのでほぼ確実に増えますが、人件費も増え、さらに22時以降は人件費が割増になるので余計に利益を圧迫します。
  • シフトを組むのに苦労している場合、従業員の労働時間が増えて余裕がなくなります。
  • 従業員は時給や残業代を稼げるので悪くないかもしれませんが、店の利益にはほぼつながりません。

利益アップを狙う方法

無駄な「経費」を削減する

  • 帳簿、通帳、現金出納帳など、全ての支払いをくまなくチェックしましょう。
  • 使っていない電話回線、店内BGM用の有線放送、集客効果のないグルメサイトの有料登録、誰も節約意識のない水道光熱費、ロットサイズが半年分で仕入れている消耗品、カラー複合機のリース代など、1個では小さい金額でも、チリも積もって1年分で考えると、想像以上に大きい金額になると思います。
ヒロサワ
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内容が不明な支払いがあれば、担当者を質問攻めにしてでも追求する粘り強さが必要です。

原価率を下げる

  • 今のメニューでの原価率(個別&合計)と、損益計算書などの実際の店全体の原価率を把握しましょう。…数字が得意でないと、そう簡単には把握できないと思いますが。
  • メニューの種類の整理、リニューアルを進めましょう。
  • メニューの整理では、あまり売れていない原価率の高いメニュー、使いまわしのできない食材を使うメニューを廃止します。
  • 食材の廃棄率を下げるために、仕入れる食材の種類を減らす、食材を仕入れ過ぎないなど、在庫管理をしっかりやりましょう。
  • 仕入れている食材の価格がスーパーなどの市場価格と比較して、配達料を考慮しても割高なら、仕入先の変更を検討しましょう。
  • 業務用のネットスーパーやAmazonなどの通販でも、一定額以上の注文で送料無料になるので、便利で使い勝手は良いです。
ヒロサワ
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既存の業者と他の業者の複数で相見積もりをすると若干安くなることは多いです。
ただし、価格だけでなく、品質管理や配達時間の融通なども重要です。

値上げする(適正価格にする)

  • 今あるメニューをそのまま値上げすると、既存のお客に損をしたと感じさせてしまうので、メニュー全体のリニューアル(商品のクオリティアップ)と値上げを同時に行うのがオススメです。
  • リニューアルするメニューは、原価率(利益率)を計算しつつ、いろんなメニューで使いまわしできる食材で満足感を与えられるようにレシピを作るのがポイントです。
ヒロサワ
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安売りをする価格競争は「お金のある強い店が弱い店をつぶすために行う戦略」なので、つぶれかけた店が対抗できるわけがありません。

まとめ

  • 「売上が増えれば良い」という考えが浸透しているが、経営的には間違い
  • 「売上」と「利益」は別物で、つぶれかけた店が生き残るには「利益アップ」を目指すべき
  • 売上アップを目指すとデメリットが多い
  • 利益アップは「経費を削減」「原価率を下げる」「適正価格に値上げ」の3つ

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