注文した料理をほとんど食べずに帰ってしまうお客ってたまにいますよね?
「パワハラ上司に速攻で戻って来いって命令されたのかな?」
「次、遅刻したら別れると言われている恋人との待ち合わせ時間に遅刻しそうだったのかも?」
「シェフの気まぐれ風の味付けが口に合わなかった?」
食べ残した理由はいろいろと想像はできますが、お客の99%は不満があっても直接店に言わないので真実はわかりません。
だからと言って、お客の食べ残しを観察せずに無意識で捨てている店は近いうちにつぶれます。
この記事を書いている私は、元飲食店経営者で経営コンサルの国家資格「中小企業診断士」でもあるダメ飲食店改善ディレクターのヒロサワです。
直近では社長として負債7億円で赤字経営だった、つぶれかけカフェを利益1100万円稼ぐ繁盛店に立て直しました。
さまざまな試行錯誤をしてきたので、成功と失敗の経験をたくさんしています。
料理の食べ残しには何かしらの理由があります。
お客に直接聞くのがてっとり早いですが、私は次のような方法で調べていました。
「食べ残しをこっそり味見して、味に問題なかったかチェックする」
私はこのチェックによって、「茹で時間が短くて芯が残ったパスタ」「レシピを勝手に変更してボソボソ食感のたまごサンド」など、オペレーションの手抜きを発見して改善した経験があります。
ドラマでシェフが食べ残しのソースをなめてチェックしているシーンをマネして、カッコつけていると思われて気恥ずかしいけれど、絶大な効果があります。
もし、食べ残しを見ても何も感じず、無意識に捨てる人しかいない店は、味が落ちていることに気づかずに店の評判を落とします。
そして、売上が激減したあとに気づいてもリピーター客の信頼を取り戻すのは難しいので、ダメな店はつぶれてしまうのです。
食べ残しの味見について補足すると、「食べ残し」と言っても歯でかじったり、箸やフォークが触っていないキレイな部分だけを、客席から見えない厨房内で味見します。
料理を一口食べて残す理由
お客が数口食べただけでごっそり残す場合、何かしらの理由があります。
お客のイレギュラーな都合であれば店側はどうすることもできませんが、ほとんどは「おいしくない」という理由です。
私は、噛み切れない筋のあるマグロの刺身、噛み切れない筋のあるカルビを出されると、おしぼりの中に筋を吐き出し、残りもそのまま残すことがあります。
「あなたは食べられるの? 食べられない食材を客に出すんじゃねーよ」と心の中で思いつつ、基本的にはその店には二度と行かないルールにしています。
お客が店に言わない理由
写真と見た目が違うなど、誰が見てもわかることであれば言うお客はいますが、「おいしくない」など主観の感覚的なことを店員に伝えるのは難しいので、お客の99%は不満があってもクレームを言いません。
言わない最大の理由は「めんどくさい」からです。
他にも・・・
お客は直接は言わないけど、口コミで低評価をしたり、知人に悪い評判を伝えるので、来客数には少なからず影響が出てしまいます。
お客の不満に気づかない問題
飲食店のキッチンスタッフは毎日たくさんの料理を作るので、「おいしい料理を食べてほしい」という意識がないと、「料理」ではなく「製品」を生産している感覚になり、オペレーションを手抜きしたり、味見がいい加減になります。
問題は大きく2点あります。
①リピーター客が減る
初めて来た客がリピーター客に来ることはまずありませんが、常連客でも1度は我慢してくれても、2度目もまずかったら他に店に行ってしまいます。
リピーター客がいないと、新規客を増やさないと売上を作れませんが、リピーター客に比べて、新規客の獲得は何倍も難しいので、売上は減っていきます。
②口コミサイトに悪い評価をされて新規客が減る
店を選ぶ際、Googleマップや食べログの評価やレビューを参考にする人は一定数います。
その人達は入店しようと店の口コミサイトを見て、評価やレビューが悪いと別の店を選ぶので、集客にはマイナスになります。
一般的に、良い評価よりも悪い評価が投稿される傾向にあります。
口コミサイトに店への感謝で良い評価を投稿する意欲は低いけど、店への怒りで悪い評価を投稿する意欲は高くなるためです。
客の食べ残しを観察&味見で解決
正確には「お客が満足しているか?」を観察します。
その結果、食べ残しが気になったら、味に問題がなかったかをお客の見えない場所でこっそりチェックします。
お客の食べ残しは「不満の痕跡が残ったヒント」なので、おいしい料理をウリにしている人は必ずチェックしましょう。
従業員はお店がつぶれても転職するだけなので、味の品質チェックは経営者が自主的に、真剣にやらないと効果はありません。
まとめ
ダメ飲食店あるあるネタ【まとめ】
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