カフェがグルメ情報サイトに有料掲載しないのはナゼ?

飲食店経営

数ヶ月前まで飲食店の社長をしていた、プロ経営者&経営コンサルのヒロサワです。

飲み会やデートのお店を探すとき、食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメなどのグルメサイトは、星評価、クーポン、電話不要のオンライン予約があるので便利ですよね。

グルメサイトは利用者(客)が無料で、店が掲載料を支払っていることを知っている人は多いと思いますが、実際にはお客が払っているのを知っていますか?

「はっ? どうせ、食べログのランキング検索できる有料サービスのことだろ?」
と言われそうですが違います。

お客がグルメサイトにお金を直接払うことはありませんが、店は商売なので掲載料をお客に負担してもらう必要があり、「原価率を下げる」か「販売価格を上げる」ことで、間接的にお客が掲載料を払っているのです。

しかし、客単価(1人のお客が使う平均金額)が低い業種では、全てのメニューで原価を下げる、もしくは価格を上げると他店との価格競争で不利になりやすく、グルメサイト経由のお客向けにだけ高価格のメニューを販売するのも現実的ではありません。

そのような理由から、客単価が低いカフェは掲載料の費用回収が難しいのでグルメサイトの有料掲載が少ないのです。

※宴会コースなどの料理とアルコールを販売できるダイニングカフェは除く

つぶれかけカフェの実例

私が社長をしていた負債7億円のつぶれかけカフェは、立て直しに取り掛かった時点でグルメサイトに有料掲載していたので、毎月1万円、年間で12万円も支払っていました。

「えっ? カフェなのにぐるなび?」

当時の私も疑問に思いつつ、
「ぐるなびに掲載料を払って、どんな集客をしているのだろう?」
と、グルメサイトの掲載ページにアクセスして、集客の切り札を見て驚愕しました。

50円引きクーポン
※ご利用時は印刷してお持ちください

「はぁ~? バカかよ!」
「マクドナルドに来る子供だって、たった50円のクーポンのためにわざわざ印刷するか!」
「掲載料1万円の元を取るには、いったい何人集客すればいいんだよ!!」

と、取り乱したもののひとまず落ち着き、実際の損得計算をするためにクーポン利用者の数を聞いてみたら、再びたまげました。

利用者はなんと0人!

今月分が0人ではありませんよ?
ぐるなびのクーポンを初めてから、一度も使われていなかったのです。

こんな内容を決めた&疑問もなく毎月支払っていた従業員と、こんなクソ内容の掲載を改める提案もしないぐるなびに腹を立て、すぐに解約しました。

H氏
H氏

ダメな店の立て直しは、どこもこんなんばっかです。
今は慣れましたけど…。

つぶれかける店は景気が悪い、コロナ禍だと「外的要因」を言い訳にするけど、ほとんどは自分たちに原因がある「内的要因」で店が傾いているんですよね。

カフェが有料掲載の費用を回収できない理由

コースメニュー(高価格メニュー)がない

最低3000円以上の宴会や料理のコースがないことによって、「客単価」と「原価率」に影響します。

客単価が低いと原価率を下げられない

客単価が高ければ「掲載料分」の原価を下げても料理がショボく見えづらく、販売価格に上乗せしても割高に感じにくいのですが、客単価が低いと目立ってしまいます。

わかりやすく極端な例(利用者100人 = 掲載料分100円)で説明すると…

客単価が高い場合

販売価格:10,000円
原価:3,000円 (原価率30%)

▼原価率を下げる
販売価格:10,000円
原価:2,900円 (原価率29%)

▼販売価格を上げる
販売価格:10,100円
原価:3,000円 (原価率29.7%)

客単価が低い場合

販売価格:500円
原価:150円 (原価率30%)

▼原価率を下げる
販売価格:500円
原価:50円 (原価率10%)

▼販売価格を上げる
販売価格:600円
原価:150円 (原価率25%)

このように、客単価が低いと、原価が少ないので使える食材も限られ、原価率も大きく変わってしまうのに対して、客単価が高いとほとんど変わらないのです。

また、オンライン予約システムを利用すると、予約1名につき、手数料が別途50~200円発生するのでさらに掲載料の上乗せが増えます。

掲載料の最低価格が高い

掲載料は一番安いプランでも月額1万円かかります。
(ホットペッパーは32,000円から)

営業利益率が5%の店で考えると、有料掲載することで月の売上が20万円以上増えないと費用は回収できません。

ヒロサワ
ヒロサワ

店の売上規模によっては「売上20万円」の大きさは異なりますが、私が社長をしていたつぶれかけカフェは月の売上が1000万円なのに赤字で、ぐるなび経由の集客はほぼ0人だったので費用の回収はできませんでした。

つぶれかけカフェが費用回収できる客数

客単価:593円(税抜)
掲載料:10,800円(税込)

利益率:赤字だと計算できないので「+10%」と仮定

掲載料10800円 / 利益59.3円 = 客数182人

ヒロサワ
ヒロサワ

立て直した後と同じ営業利益率10%でも月182人の利用が必要なのに、実際には赤字なのに利用者0人でも毎月1万円を払い続けている店じゃ、つぶれかけて当然ですね。

まとめ

・カフェでは次の理由から有料掲載の費用を回収できない
・コースメニュー(高価格メニュー)がない
・客単価が低いと原価率を下げられない
・掲載料の最低価格が高い

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