飲食店の「原価率」を予習&復習【経営者が教える隠れ原価7個】

飲食店の基本「原価率」を予習&復習【経営者が教える隠れ原価7個】 飲食店コンサルティング
飲食店の原価率について勉強したい人

・飲食店の原価率はどうやって計算するの?
・原価率計算をしているのに、実際の原価率が悪くなるのはどうして?
・飲食店で働いているけど、原価率について改めて教えてほしい

ヒロサワ
ヒロサワ

こんな疑問、悩みにお答えします。

この記事を書いている私は、プロ経営者&飲食店コンサルタントのヒロサワです。
最近では社長として負債7億円で赤字経営だった、つぶれかけカフェを利益1100万円稼ぐ繁盛店に立て直しました。
さまざまな試行錯誤をしてきたので、数え切れない失敗とたくさんの成功を経験しました。

記事の内容

飲食店経営で基本である「原価率」と、飲食店経営者だから知っている、「気づかないうちに業績が悪化してしまう隠れ原価」について解説します。

飲食店の原価率について調べると、ネットで検索すればすぐに見つかりますが、飲食業界で経営したことのない人が書いた「学生向けレベルの情報」ばかりなのに気づきましたか?

このブログに来ていただいたお礼に、飲食店を経営した人が書いた「プロ向けレベルの情報」を解説します。

この記事を読むと、飲食店で働いている人でも気づかない、原価率に関する情報を解説しているので、店の業績改善に役立てることができます。

飲食店の原価率とは?

原価率 = 原価(食材) / 販売価格

飲食店の原価率は、メニューの販売価格のうち、食材の占める割合をパーセントで表します。

パンケーキを例にすると、食材(生地とフルーツとホイップクリームなど)が300円、販売価格を1000円にした場合、原価率は30%になります。

ヒロサワ
ヒロサワ

原価厨と呼ばれる人は、原価率が低いとボッタクリだとかよく言いますけど、店は食材の他に人件費、家賃、光熱費、その他経費も負担しているので、飲食店の利益率は10%も出せれば良い方なんですよね、実は。

理想の原価率は?

結論を言うと、予想する売上から、人件費・家賃・販売管理費(光熱費、広告宣伝費、雑費など)・目標の利益を差し引いた残りの割合を「原価率」にしてください。

経営に詳しくない人にとっては
「へ? どういうこと? 難しくてよくわかんない・・・」
と感じていることでしょう。

なんで、こんな答えなのかと言うと、同じ飲食店でも業種(カフェ、レストラン、居酒屋、たこ焼き屋など)、立地(駅前の一等地、田舎の郊外、自宅の一部など)によって、利益を出せる原価率が違ってくるためです。

ヒロサワ
ヒロサワ

一般的な原価率は、業種別だと寿司屋は30~60%、相席居酒屋は10~20%、立地別だと駅前の一等地は20~30%、家賃の安い場所は30~60%くらいになるので、原価率は店によってさまざまです。

ですが、目安となる原価率は30%前後です。

原価率を決める = 販売価格を決める

原価”額”は仕入れ価格とレシピの分量で決まりますが、原価”率”を計算するには、まず販売価格をいくらにするか決める必要があります。

ただし、全メニューの原価率が全て30%など一律になるように決めてはいけません。

原価率を決めるコツ

原価率を高くすると食材にお金をかけられるので顧客満足度(コストパフォマンス)が高くなり、逆に原価率を低くすると顧客満足度が低くなりますが利益を出すことができます。

全てのメニューをどちらかにすると経営が成り立たなくなるので、メニューのジャンルごとに原価率を高くしたり低くしたりとメリハリを付けて、店全体のトータルで原価率を考えることがポイントです。

例)フードメニューは満足度アップのために原価率は高めで儲けがない代わりに、原価率の低いお酒メニューをたくさん飲んでもらうことで利益を出す。

販売価格の決め方について知りたい人は、関連記事「今までより高くても売れる飲食店メニューの値段設定テクニック4選」をあわせてご覧ください。

原価率計算表(EXCEL形式)の無料ダウンロード

私が再建したカフェで使っていた「原価率計算表」のテンプレートを無料公開しますので、ダウンロードしてご活用ください。

食材・レシピの情報と販売価格を入力すると自動で計算してくれるので便利です。

飲食店用の原価率計算表
飲食店用の原価率計算表

飲食店用の原価率計算表 EXCELテンプレート無料ダウンロード

原価率計算時の消費税

原価率 = 原価(税抜) / 販売価格(税抜

お客が支払う消費税は、店の懐には入るわけではなく、店が国に納めるまで預かっているだけなので、消費税は含めないで計算します。

たまに、販売価格を税込価格で計算する人がいますが、実際の原価率が2~5%ほどずれて、致命的なミスになるので要注意です。

飲食店経営者が教えるキケンな隠れ原価7個

計算上では利益が出るように原価率を設定したのに、毎月の帳簿や決算書を見ると、原価率が予想よりも高くなって赤字になるケースがあります。

原価率のズレが発生する要因は次の7パターンになります。

①主力メニューの安売り

店全体の原価率を計算する場合、全メニューを単純に平均してしまうと、実際の原価率とズレが大きくなります。

わかりやすく言うと、たくさん売れる主力メニューとたまにしか売れないサイドメニューでは、主力メニューの原価率が店全体の原価率になります。

全メニューの原価率から計算して「店全体の理論上の原価率」を算出する場合、原価率の平均を計算するのではなく、販売数の予測して計算する必要があります。

理論上の原価率の計算方法

例として、コーヒーとパンケーキだけを販売する店の月間販売数の予測がわかると、理論上の原価率は次のように計算できます。

商品名原価率販売数(予測)
コーヒー10%100個
パンケーキ30%20個
間違った計算方法

(コーヒー10% + パンケーキ30%)/ 2 = 原価率20%

正しい計算方法

((コーヒー10% × 100個) + (パンケーキ30% × 20個)) / 120個 = 原価率13.3%

②仕入れ価格の値上げ

原価計算をした後に、食材の仕入れ価格が値上げされると、原価率はアップします。

野菜、鮮魚、生鮮食品などの時期によって変動する食材で起こりやすいです。

よくあるパターンが、現場担当者が原価率・仕入れ価格に無関心な場合、原価率が跳ね上がって赤字メニューになってしまい、経営者などが気付くまでそのまま続きます。

ヒロサワ
ヒロサワ

私が再建したつぶれかけカフェも、前月の原価率が予測よりも悪いので、過去の納品伝票を1枚ずつ全てチェックしたら、クリスマスのボッタクリいちご、天候悪化で高くなった野菜を大量に仕入れていたのを発見したことがあります。

③廃棄ロス

ケーキや生鮮食品などの日持ちの短いメニュー、旬のフルーツの加工品など季節限定メニューの食材を賞味期限切れや大量に余ったりして、食材を捨てることです。

廃棄ロス対策は適正な在庫管理

過剰や不足にならないように仕入れ数と在庫数を調整します。

売り切れでお客や上司から怒られたくない発注者が過剰に仕入れることで起こりやすく、月末ごとに棚卸しをして、残りの在庫数を把握することは最低限必要です。

また、ケーキなどの売れ残ると廃棄することになる商品の場合、スタッフがお客におすすめメニューとして積極的に声掛けすることで減らすこともできます。

おすすめするテクニックについては、関連記事「飲食店の原価率を下げるテクニック「おすすめ力」【愛想のいい人向け】」をあわせてご覧ください。

④歩留まり

野菜の皮や葉っぱ、鮮魚の内臓や骨などを取り除いたあとの食べられる部分(可食部)の割合のことです。

もし歩留まりを含めずに原価率計算していると、レシピの分量よりも仕入れの分量が1.5倍必要だったなんてこともあります。

冷凍食品などの加工品を使うと歩留まり率はほぼ100%なので無駄がありません。

⑤オーバーポーション

飲食店用語なので馴染みのない言葉ですが、盛り付け過ぎのことです。

いい加減なスタッフが多いと、お客からのクレーム回避のために、マニュアルを軽視して多めに盛り付ける傾向があります。

測りや軽量カップを使ってマニュアルを徹底させ、盛り付けの完成品をマメにチャックすることで防止することができます。

ヒロサワ
ヒロサワ

再建したつぶれかけカフェでも、私が社長になってすぐに「原価率が計算よりも悪いのはなぜ?」と前任の経営者に質問すると『オーバーポ-ションが原因』と答えるくらい原価率悪化の犯人にされやすいです。

ヒロサワ
ヒロサワ

実際には、原価率悪化の原因をいろいろ調べてみたら、オーバーポーションは微々たるもので、ココに挙げた原因が複数あったというオチでした。

⑥オーダーミス&つまみ食い

オーダーミスをして冷めたり、溶けたり、乾燥したりして再利用できないメニュー・食材は廃棄することになるので、ミスが多いと食材を無駄に捨てることになり、原価率が悪化します。

オーダーミスを減らす努力は当然ですが、問題となるのはミスを報告しないで勝手に捨てたり食べたりすることです。

従業員教育がいい加減な証拠なので他の仕事にも影響したり、時間帯のリーダーや店長はミスの頻度を知っていても経営者に報告しないので、誰も問題に気づかないケースも多いです。

H氏
H氏

私も学生時代に牛丼屋でアルバイトをしていたとき、誰もいない隙に肉をつまみ食いした経験があるので今は反省しています。

⑦窃盗(持ち帰り)

倉庫や棚に保管しているお酒などの食材を従業員を盗むことで原価率が悪化している場合もあります。

犯罪行為なので発生する確率は低いですが、次のような場合は要注意です。

  • 在庫管理ができていないので、盗まれても気づかない
  • 従業員教育のレベルが低いので「ブラック店で働いてやってるから盗んで当然」と思われて、罪悪感が薄い
ヒロサワ
ヒロサワ

疑わしい場合の解決方法は、「現行犯で捕まえること」ではなく、「在庫管理をしっかり行い、盗めそうな隙をなくすこと」を優先しましょう。

ただし、店内で不正を働く人が1人でもいると店全体のモラルが低下するので、犯人を特定できたら、その場で解雇することを推奨します。

7個の隠れ原価のうち、原価率に大きく影響しやすいのは「①主力メニューの安売り」と「③廃棄ロス」です。

これを重点的に改善すると、原価率のコントロールができるようになります。

ただし、どれも経営者だけがやっても不十分で、店で働く従業員全員が同じ意識を持つことが必須になってきます。

まとめ

  • 原価率は消費税を含めないで計算する
  • 原価率は全メニュー一律にするのではなく、ジャンルごとにメリハリをつける
  • 原価率が悪化する隠れ原価率は7パターンある
  • 「主力メニューの安売り」と「廃棄ロス」は重点的に改善する

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