飲食店の経営戦略とは、どんなものなのか興味がある人
・2枚看板メニュー戦略とは何か教えて
・戦略で赤字を立て直すことができるの?
・そもそも、戦略ってなに?
このような疑問、悩みにお答えします。
この記事を書いている私は 、元飲食店経営者で経営コンサルの国家資格「中小企業診断士」でもあるダメ飲食店改善ディレクターのヒロサワです。
直近では社長として負債7億円で赤字経営だった、つぶれかけカフェを利益1100万円稼ぐ繁盛店に立て直しました。
さまざまな試行錯誤をしてきたので、たくさんの成功と失敗を経験しています。
この記事を読むと、飲食店の経営戦略の考え方を参考にしたり、2枚看板メニュー戦略をマネして、経営改善に役立てることができます。
赤字カフェを立て直した2枚看板メニュー戦略
2枚看板メニュー戦略とは、異なる2つのターゲット向けに、それぞれの役割を持たせた2つの商品で集客する戦略です。
私が立て直した負債7億円のつぶれかけカフェでは、「新しいモノ好き」と「保守的な人」をターゲットにした看板メニューを作って集客を行いました。
2枚看板メニュー戦略のメリット
看板メニュー1本で競合店と勝負するとなると「圧倒的な魅力のあるメニュー」が必要になりますが、そう簡単には作り出せません。
しかし、看板メニューを2枚に分散させることで「特定の顧客層向け&まあまあ魅力のあるメニュー」で勝負することでき、難易度が少しだけ下げることができます。
1枚看板メニュー戦略の失敗をリカバー
実は、最初から2枚看板メニュー戦略で勝負したわけではなく、看板メニュー1個(ガレット)で赤字カフェを立て直そうとしていました。
結果は、メニューのリニューアルと原価率の管理のおかげで、赤字カフェを黒字化することに成功しました。
ただ、ガレットは売上も顧客満足度も悪くはなかったけど、看板メニューと呼べるほどのお客からの反応がなかったので戦略の見直しが必要でした。
そんなタイミングでがっちりマンデーを観て、「ガレットは、保守的な人には敬遠されているのでは?」「保守的な人に向けた看板メニューを作ろう」という発想に行き着きました。
赤字カフェを黒字化できた理由については関連記事で解説しています。
看板メニュー①:ガレット(新しいモノ好きな人)
赤字カフェに併設するクレープ屋で焼いているガレットは独自性があり、競合店と差別化できると考え、看板メニューはガレット1本で勝負していました。
店で使うフードメニューのメイン食材を生ハムとスモークサーモンに絞ることで仕入れ価格を抑え、盛り付けるボリューム感を増したことで、再建前にあったガレットと比較して、売上を2.5倍に増やすことができました。
しかし、数字は良かったものの、集客につながっている手応えがなかったので、ガレットの改良ではなく、新しい看板メニューを追加することにしました。
ガレットのメニュー開発の歴史に興味を持ってくれた人は関連記事をご覧ください。
看板メニュー②:たまごサンド(保守的な人)
テレビで観た「2枚看板メニュー戦略」で、ガレットは「保守的な人」には興味を持たれていないと感じ、コンビニでも定番商品のたまごサンドに、和風だしの味付けで差別化をした「和風だしのたまごサンド」を2枚目の看板メニューとして売り出しました。
その結果、売上はフード部門で売上ナンバー1のメニューになり、見た目は地味なのにインスタグラムの投稿された写真を目にすることも多かったです。
重複する部分もありますが、たまごサンドについての関連記事もあわせてご覧ください。
2枚看板メニュー戦略の終焉
再建後期には、ガレットのメニューを廃止して、看板メニューをたまごサンド1本に絞り、2枚看板メニュー戦略はやめました。
戦略の失敗理由
2枚看板メニュー戦略は理にかなった有効な戦略です。
しかし、問題点は「魅力のあるメニューが2つも必要」ということであり、戦略を活かしきれなかったのは、「ガレットの魅力が不足していた」ことが原因でした。
ガレットを廃止した理由
魅力が弱かった
盛り付けと味を改良するなど、再びリニューアルしましたが、たまごサンドに比べると手応えが弱かったです。
生ハムとスモークサーモンの品質が不安定
生ハムとスモークサーモンは切り落としでも、見た目と味の良い食材を選定しましたが、不定期にメニューの出来をチェックすると、選定した食材よりも品質の落ちるものを仕入れていることがあり、私が認めていない品質をお客に提供したくないのでメニュー自体を廃止しました。
安くて美味しい食材は「売り切れるリスク」があり、代替品を探す手間があります。(数量限定のスポット品など)
日々の仕入れを行う現場担当者が品質チェックに甘いと、店の商品価値は気づかないうちに下がるので要注意です。
オペレーション(調理作業)のレベルが不安定
店の教育レベルの責任は自分になるので情けない話ですが、ガレット生地・調理・盛り付けの技術が低い新人スタッフが多く、教育体制も脆弱だったこともあり、負担を減らす目的が最終判断する決め手でした。
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