◆ 潰れそうなダメな飲食店・カフェの「あるあるネタ」を紹介します
◆ ダメな理由と潰れないための解決策を飲食店コンサルタント&プロ経営者が解説します
この記事を書いている私は 、元飲食店経営者で経営コンサルの国家資格「中小企業診断士」でもあるダメ飲食店改善ディレクターのヒロサワです。
直近では社長として負債7億円で赤字経営だった、つぶれかけカフェを利益1100万円稼ぐ繁盛店に立て直しました。
さまざまな試行錯誤をしてきたので、たくさんの成功と失敗を経験しています。
業績が悪く、何をやってもうまくいかない店は、他の店がやっているから効果があるだろうという発想で「フリーWi-Fi」のサービスを導入しがちです。
「フリーWi-Fi 利用できます」と書かれたポスターや垂れ幕を制作して、店頭に貼って大々的に告知をしたとしても、残念ながら売上や来店客数のアップにつながらず、業績回復することはありません。
※フリーWi-Fi:契約している通信容量(ギガ)を消費しないでデータ通信ができる。通信容量を使い切った人や外国人旅行客には喜ばれる。
私が経営したカフェでは導入しなかったので、すぐ近くにあった潰れたカフェの実例です。
業績回復できない理由
「あったらいいな」は利益に直結しない
フリーWi-Fiはなくてもお客は困らない、「こんなのあったら、何人かのお客さんは喜びそう」程度のサービスです。
「あったらいいな」は儲かっている店がさらなる高みを目指すためにやるもので、逆に、業績不振の店では、今やっている「あったらいいな」を即刻中止して、利益を生み出すことに集中すべきです。
また、フリーWi-Fiがないから来店しないお客は圧倒的に少なく、仮にいたとしても滞在時間が長く、回転率が下がるので、売上アップにはつながりにくくなります。
滞在時間とは?
お店に入ってから、お店を出るまでの時間で、下記の4段階の合計時間になります。
- 席についてから注文するまでの時間
- 注文してから料理が出るまでの時間
- 食事している時間
- 食事後、店を出るまでの時間
行列している人気ラーメン屋は、お客は食べたらすぐに店を出るので「4」はほぼゼロで滞在時間は短く、回転率も高くなるのに対し、
スターバックスコーヒーや近所の主婦が集まるような喫茶店は「3」と「4」が長くなるので、滞在時間は長く、回転率は低くなります。
回転率とは?
飲食店の「売上」は「客数」×「客単価」で決まりますが、『客数』については1日に来店したお客の合計です。
満席になることのある店では「席数」×「回転率」でも計算します。
(テイクアウト、客席稼働率などを無視してざっくり言うと)
「回転率」は、1日でそのイスを何人が座ったかという考えで、10席ある店に25人の来店があった場合、2.5回転という計算になります。
満席になる店にとっては、お客の滞在時間が短く、すぐに席をあけてくれると、1日にお客がたくさん入れ替わることで回転率が高くなり、客数が増えて、売上もアップするのでありがたいのです。
なお、満席にならない店では、お客の滞在時間が長くなっても「満席で入れなかったために客数が減る」ことはないので、売上には影響ありません。
「客数」を『席数』と『回転率』に分解することで、客数を増やすために「テーブルの配置を変えて席数を増やそう」とか「料理の提供時間を短縮することで回転率を上げよう」など、具体的な手段を考えることができ、成功かどうかの判定対象を絞り込めるので、精度の高い施策をすることができます。
補足:導入効果がありそうな業種
滞在時間が長いほど売上が増える傾向がある業種というと居酒屋でしょうか?
飲食店ではないけど、パチンコ店なんかも当てはまります。
ただし、どちらもデータ通信ができることで滞在時間が長くなることはあっても、お酒のおかわりが数杯増えたり、パチンコの遊技額を増えることはなく、導入しても業績アップにつながることはないでしょう。
まとめ
・「あったらいいな」のサービスではお客は増えない
・余裕のないお店は「あったらいいな」を止めて、別のことをすべき
・フリーWi-Fiは「滞在時間・回転率」を悪化させる = 売上を下げる要因
※業績回復には「売上」ではなく「利益」が重要であり、経費はそのままで売上だけを増やすことができれば、利益が増えるので業績回復につながります。
詳細を知りたい方は下記の記事を参照してください。
》関連記事:なぜ、赤字の飲食店が売上アップを目指すと失敗してしまうのか?
ダメ飲食店あるあるネタ【まとめ】
今までのあるあるネタの記事をまとめました。
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