ダメ飲食店あるある「グルメサイトで数十円引きクーポンを発行している」

ダメ飲食店あるある

一昔前のクーポン券は、WEBサイトから紙に印刷したり、配布された紙のクーポン券を持ち歩いたりと手間でしたが、最近のクーポンは、スマートフォンのアプリからクーポン画面を見せるだけで使えるなど便利になりましたよね。

しかし、ダメな飲食店、・・・というか、私が社長として立て直す前のつぶれかけカフェでは、グルメサイト(ぐるなび)で下記のようなクーポン券を1種類だけ、本当に発行していました。

クーポン券
50円割引
※ご利用時は印刷して注文時にお見せください。

「50パーセント割引ではなく、たったの50円で割引ですよ?」

「メイン客層の30~60歳くらいの大人が、印刷代に10~50円使ってわざわざ用意すると思います?」

「しかも、ぐるなびに毎月1万円を1年以上払っているのに、クーポンの利用者が0人だったんですよ?」

恋人と初めての京都旅行なのに、朝昼晩の全ての食事を牛丼チェーン店に連れて行くくらい、ありえないです。

ヒロサワ

だから、つぶれかけたんですけどね・・・

この記事を書いている私は 、元飲食店経営者で経営コンサルの国家資格「中小企業診断士」でもあるダメ飲食店改善ディレクターのヒロサワです。
直近では社長として負債7億円で赤字経営だった、つぶれかけカフェを利益1100万円稼ぐ繁盛店に立て直しました。
さまざまな試行錯誤をしてきたので、たくさんの成功と失敗を経験しています。

記事の内容

割引クーポンの目的や集客方法の解説と、私が再建したカフェがつぶれかけていたときの実例を紹介します。

グルメサイトで数十円引きクーポンの発行がダメな理由

割引クーポンは、お会計額から10%割引・500円引きや、ソフトドリンク半額などのように特定のメニューが安くなるなどバリエーションがあります。

お得感があるほど集客効果は強くなりますが、お得だと感じてもらえないと集客効果はほとんどありません。

ところが、売上が下がった飲食店は、お客を増やす努力をいろいろしますが効果がなく、グルメサイトの営業の口車に乗せられて割引クーポンを導入しがちです。

その結果、お得感のない割引クーポンを発行して失敗するケースが多いです。

ダメな飲食店が割引クーポンの集客に失敗する理由は次の7点です。

  • お金に余裕がないせいで割引率が低く、集客効果が弱い
  • 客単価が低い店だと、割引する金額のインパクトが弱い
  • プリンターで印刷する方式だと印刷代と手間がかかり利用されない
  • 数十円の割引でクーポンを使うと恥ずかしいと思われ敬遠される
  • 安売りするしか特徴のない店として、イメージダウンになる
  • クーポンの発行にコストがかかる
  • 最大の理由は、経営者が上記の問題に気づかない

割引クーポンを店が使う目的

そもそも、店が割引クーポンを使う理由として、次の目的があります。

  • 新規客に来店してもらう
  • リピーター客に再来店してもらう
  • 特定のメニューの注文してもらう

数十円の割引クーポンの問題点

店側と客側の2パターンの問題点があります。

店側の問題点

  • 割引分は通常では得られた利益を削ることになる
  • クーポンの導入には、発行のコストと運用のコストがかかる
  • 安売りするしか特徴のない店として、イメージダウンになる
  • 客単価が低い店の場合、割引金額に限りがあるので集客効果が弱い

客側の問題点

  • プリンターで印刷する方式だと印刷代と手間がかかるので利用率が下がる
  • 利用条件があって面倒くさい(1000円以上、注文時に提示する、ランチは除く、など)
  • 数十円の割引のためにクーポンを使うと恥ずかしく感じて敬遠される

割引クーポンで利益を出す方法

  • 割引額を抑えて利益を確保する(5%引き、50円引きなど)
  • 利益率が高い店が使う(コースメニューのある居酒屋など)
  • 割引は一部メニューに限定して、セットの注文で利益を出す(フードのみ半額など)
  • 初回は赤字で、2回目以降の来店で利益を回収
ヒロサワ

飲食業は「利益率10%だと優秀な店」と言われるほど薄利多売の商売なので、クーポンで10%割引をすると利益を出すのが難しくなります。

そのため、クーポン利用を前提にした、高めの値段設定をします。

割引クーポンの発行方法とデメリット

  • グルメサイト …有料登録で毎月1万円以上の費用がかかる
  • 自社サイト …低コストだが集客効果は弱い
  • 自社アプリ …開発&運用費が数十万円以上
  • 雑誌、フリーペーパー …低コスト・無料だが集客効果は弱い
  • 店頭で直接配布 …すでに来店済みのリピーター客の集客になる
    近隣で直接配布 …商圏の見込み客に届くが、手間の割には集客率は低い

ダメ飲食店が割引クーポンを利用してはいけない理由

ダメな飲食店は「クーポン発行にかかる費用」と「集客による効果」の損得勘定の計算ができないので、赤字になっていても気づかずに業績がじわじわと悪くなっていきます。

また、次のようなデメリットも発生します。

  • レジ打ちやクーポンの確認などでスタッフの仕事が増える
  • お客がクーポンの利用条件を勘違して使えない場合、不満を感じたりトラブルが増える
  • クーポンを使っていない常連客に不公平感を与える
ヒロサワ

クーポン発行費用が1万円の場合、売上が1万円増えてもプラスマイナスゼロにはなりません。
食材費・人件費などの経費がかかっているので、売上は2~3万円増えないと、赤字になります。

ヒロサワ

赤字の飲食店は売上アップを目指すと失敗するので、利益を増やすことを意識しましょう。

赤字店は利益を増やすことが重要な理由をまとめた関連記事「なぜ、赤字の飲食店が売上アップを目指すと失敗してしまうのか?」に興味がある方はぜひご覧ください。

ダメ飲食店が割引クーポンで失敗しないための改善策

業績が悪化してお金に余裕がない店は、利益を減らすことになる「割引」はやってはいけません。

「でも、割引で利益は減ったとしても、それ以上に集客して売上と利益を増やせばいいんじゃない?」と思う人がいるかもしれませんが、レベルの高い経営&運営の能力が求められるので、業績の悪いつぶれかけている店には不可能です。

しかし、「割引」がダメなだけで、クーポンを使って集客する方法はありです。

ではどうするかと言うと、「クーポン券を使うとデザートを1品サービス」というように、客単価を下げるのではなく、何かをオマケしてお得感を与えます。

ヒロサワ

「どっちも同じでは?」と思うかもしれませんが、店の価値を落とさないということが重要なので、割引して安売りするのがNGなのです。

まとめ

  • 数十円の割引クーポンは集客効果がないので発行してはダメ
  • 割引クーポンは新規客&リピーター客の来店動機、特定メニューの注文を増やすことができる
  • お得感がない、手間になる割引クーポンはお客が利用しない
  • 割引クーポンは利益を減らすので赤字飲食は導入してはダメ
  • クーポン導入は発行と運用のコストがかかる
  • クーポンで集客できても、トラブルも増える
  • クーポンを使わない常連客に不公平感を与える
  • 最大の問題は、経営者がデメリットに全く気づかないこと

ダメ飲食店あるあるネタ【まとめ】

経営者が共感できる「あるあるネタ」の記事をまとめました。

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